
LEDGEは3月25日、レポート『プロボノの今:企業法務事務所による実践・課題・展望』を発表しました。
本レポートは日本で初めて、日本における企業法務事務所によるプロボノ活動の状況を分析したレポートです。法律事務所や非営利団体を対象としたアンケート調査、インタビューや文献調査などを通じて、主に日本にオフィスを有する外資系法律事務所のプロボノ活動の現状や課題、今後の可能性について詳細に検討しています。
調査を通じて、日本にオフィスを有する外資系企業法務事務所は、制度化されたプロボノのインフラが整っており、国内での活動への意欲も高い一方、現状においては、その潜在的な力を十分に活かせていないことが明らかになりました。
レポートでは同時に日本系の企業法律事務所のプロボノへの取り組み状況も踏まえて、プロボノへの取り組みを阻害している構造的な問題を指摘するとともに、その乗り越えに向けた具体的な道筋を提示しています。
『プロボノの今:企業法務事務所による実践・課題・展望』
公共訴訟に特化した専門家集団である「LEDGE」にとって、戦略的な訴訟活動を行う上でプロボノ活動を通じた企業法務法律事務所との協働は非常に有効な手段となります。
公共訴訟は多大なるリソースと長い時間を要するため、アメリカをはじめ、海外の国や地域で公共訴訟に取り組む団体の多くが、大規模な企業法務法律事務所とのプロボノ連携によってその活発な活動を維持しています。一方、日本では、企業法務法律事務所によるプロボノへの関与は、比較的限定的な状況が続いてきました。
日本でもプロボノの実践を根付かせるためには、現状を正確に把握し、より活発かつ持続可能なプロボノを可能にする条件や、効果的な働きかけのポイントを明らかにすることが不可欠です。本報告書は三部構成で、以下のテーマを取り上げています。
第I部では、日本におけるプロボノ活動の現状を整理します。主な分析対象は日本にオフィスを有する外資系企業法務事務所ですが、日本系の大手企業法務事務所についての補足的な分析も含んでいます。あわせて、これまで行われてきた非営利団体や弁護士ネットワークとの連携事例も取り上げています。
第II部では、アメリカにおけるプロボノの発展と制度化の歴史を振り返り、第I部の分析を比較的視点から捉え直します。
第III部では、プロボノ活性化の3つの構造的障壁(アクセスと中間支援の問題、キャパシティのミスマッチ、そして可視性の欠如)を指摘し、それぞれに対処するための具体的な道筋を提示します。
本レポートが、日本の法曹界における議論を深め、具体的な行動へとつながるための参考資料として広く活用されることを期待しています。
*本レポートは、日本における公共訴訟のためのプロボノ体制構築を目指すためにLEDGEが立ち上げたプロジェクトの一環として、米日財団の支援を受けて作成されました。
3月27日にシンポジウム開催
本レポートの発表を記念して、3月27日(金)にシンポジウムを開催します。プロボノに尽力する法律実務家のみなさまや、プロボノ協働に関わる市民団体の方々とともに、日本のプロボノの現状とその発展に何が必要かを議論します。
◼️シンポジウム概要
- 日時: 2026年3月27日(金)17:30〜20:30
- 会場: ベルサール六本木 グランドカンファレンスセンター ルームC(Google Map)
- 参加登録: 3月27日12:00までにGoogleフォームよりお申し込みください
- 共催: LEDGE・CALL4
- 後援: 東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会、日本組織内弁護士協会(JILA)、米日財団
◼️プログラム
1. レポート発表:日本のプロボノの現状
・池田クラリス(LEDGE グローバル・リーガルオフィサー)
2. プロボノ連携の実践例
公共訴訟を支えるプロボノ活動
・谷口太規(LEDGE エグゼクティブ・ディレクター)
社会的企業・NPOへのビジネス法務支援
・渡邊賢 弁護士(BLP-Network副代表)
3. 日本渉外事務所によるプロボノへの取組
・齋藤宏一 弁護士(アンダーソン・毛利・友常法律事務所 パートナー)
・インタビュアー:谷口太規
4. パネルディスカッション:プロボノの今 − 実践・課題・展望
・石川えり氏(認定NPO法人 難民支援協会 代表理事)
・杉田泰樹 弁護士(オリック東京法律事務所 パートナー)
・海野薫 弁護士(ディーエルエイ・パイパー東京パートナーシップ外国法共同事業法律事務所 パートナー)
・モデレーター:田中 太郎(LEDGE グローバル・リーガルオフィサー)
シンポジウム終了後には、軽食をご用意し、ネットワーキングの時間を設けております。みなさんのご参加を心よりお待ちしています。



